大方の予想は英語の改訂が目的で、他の教科は小幅なものに終わるかもしれないという印象があったが、8月1日の改定案を読んで感激すると同時に不安にもなった。その力の入れようはこんな言葉からも読み取れる。今回の改訂は「予測が難しい社会で未来を作り出すために必要な資質や能力を育む。」ことが狙い。その改訂内容は「英語が小5から正式教科になる」だけではなく、歴史総合では「18世紀後半以降を中心に日本と世界の近現代を横断的に学び、近代化・グローバル化などを切り口に歴史の転換点や国際関係の変化」について考えさせる。公共では「民主主義や法の支配などに加えて、政治参加や情報モラルなどの題材を取り上げ、社会に主体的に関われる力を身につける。」とある。現代の国語は「小説や随想などを批評したり根拠に基づいて論述したりする」とある。古典は文法中心の指導を改め、日本の言語文化への理解を深める。」とある。数学・理科では科学や技術開発の分野で活躍する人材の育成を目指し、数学と理科を横断する「理数探究基礎」と「理数探究」を新たに選択科目とする。「理数探究では自ら課題を設定、観察や実験に取り組み、成果を発表することで粘る強く挑戦する力を養う。」とある。
「不安になった」というのは、これだけの大改訂をするとなれば、組織が大きいだけにまず現場が大混乱するだろうと思われる。将来担う人財を育てるために必要なことはわかるから期待したいところではあるが、現場からのフィードバックをしながらより良いものにしていく時間が必要であると思う。ご健闘を祈りたい。